政令使用人とは?
2018.01.22更新
政令使用人とは?
宅建業免許を取得するためには、最低限、専任の宅地建物取引士 と(事務所要件をクリアしている)事務所が必要です。
それに加えて、会社の状況によっては「政令使用人」と呼ばれる人を置かなければならない場合があります。
政令使用人とは、簡潔に言うと、宅地建物取引業における事務所の代表者のことを言います。具体的には、宅地建物取引業者の従たる事務所の支店長や所長等、事務所における契約締結の権限を委譲された責任者のことです。
ウチには主たる事務所(本店)しかないから関係ない!と思われた方、ちょっと待ってください。
本店のみであっても、政令使用人を置かなければならない場合があります。
宅建業では、代表者が常勤していることが前提となっています。何らかの理由で代表者が常勤できない場合は、代表者の代わりに業務を執行する人(政令使用人)を置かなければならないのです。
たとえ、本店のみの会社であったとしてもです。
ちなみに、代表者が専任の宅地建物取引士である場合は、非常勤となることはあり得ません。専任の宅地建物取引士は事務所に常勤しなければなりませんので、非常勤ということはあってはならないからです。
代表者以外の方を専任の宅地建物取引士としている場合は、このまま読み進めていただいて、非常勤なのに政令使用人を置いていない…と気付いた方は至急政令使用人を置きましょう!
政令使用人となる要件は?
政令使用人となるためには、常勤であることが求められます。
非常勤でOKとしてしまうと、そもそも非常勤の代表者で足りるのでは?ということになってしまいますので、常勤性が必要であることは当然と考えられます。
また、代表者に代わって業務を執行するわけですから、宅建業について知識経験があった方が良いことに間違いはありません。しかし、それが要件ではありません。
あとは、政令使用人がいわゆる欠格事由に該当しないことが要件となります。
わかりやすく言えば、欠格事由に該当しなくて、常勤である、宅建業の業務を代表者の代わりに任せても安心できる人、であれば誰でも政令使用人となることができます。
宅建業を営むためには、専任の宅地建物取引士が必須ですが、そもそも専任の宅地建物取引士も当然に常勤しなければならないので、専任の宅地建物取引士と政令使用人とを兼務されるケースが多いです。
代表者の常勤・非常勤の判断基準
ところで、代表者が「非常勤」であると判断されるのは、どのような場合でしょうか。
普通に考えると、単独代表の会社であれば代表者が非常勤というのは考えにくいと思います。
しかし、大企業になると珍しいことではありません。
例えば、グループ会社(とりわけ親会社)の常勤役員などが、宅建業を営もうとする会社(とりわけ子会社)の代表者となるケースでは「非常勤」と判断されるでしょう。
このようなケースはよくあることなのですが、この場合は、グループ会社の役員を非常勤とするか、もしくは宅建業を営もうとする会社に政令使用人を置くかのどちらかの対応が必要です。
他にも、次のようなケースが考えられます。
①別の法人で常勤性を求められる場合
例えば、別の会社で専任の宅地建物取引士となっている場合などが考えられます。
②宅建業を営もうとする会社で、代表者が事務所に常勤できないような兼業事業を営んでいる場合
例えば、兼業で飲食店を営んでいて、代表者自らが飲食店で接客するような場合は、宅建業の事務所には常勤していないと判断されるでしょう。飲食店内に宅建業の事務所が存在せず、事務所と飲食店とが同じ場所にないことが普通だからです。
状況に応じて、専任の宅地建物取引士と政令使用人、または兼業事業を任せることができる人を雇用しなければならない場合がありますので、注意しましょう!
代表者の常勤性に不安がある方は、お気軽にご相談ください。